個人事業主として開業予定なんですが,個人事業主でもクラウドファンディングで資金を集めることはできるのでしょうか?
クラウドファンディングは,フリーランスや個人事業主の資金調達手段として注目されています。
税金などにも注意が必要なのですが,まずは,クラウドファンディングのしくみについて理解を深めておきましょう。
フリーランスや個人事業主も活用したいクラウドファンディング
近年,フリーランスや個人事業主も活用できる資金調達手段として注目されているクラウドファンディング。実は,近年,世界的にも注目されている資金調達手段です。
クラウドファンディングは,Crowd(群衆) × Funding(資金調達)の造語で,一般的には「新規・成長企業等と資金提供者をインターネット経由で結び付け,多数の資金提供者(=crowds:群集)から少額ずつ資金を集める仕組み」と説明されています。
クラウドファンディングのしくみ
クラウドファンディングは仲介サイトを通じて実施します。支援を受けたい資金調達者はクラウドファンディングを仲介する「クラウドファンディングサイト」にプロジェクトを掲載して周知を行い,これに賛同した支援者がサイトを通じて資金提供をするというのが一般的なしくみです(下図)。
仲介サイトは,支援者が提供した資金から一定の手数料を差し引いた金額を資金調達者に支払います。
たとえば上の図の場合だと,支援者が提供した資金100円から仲介手数料10円を差し引いた90円が,実際に資金調達者が受け取る金額となるわけです。
クラウドファンディングの類型
クラウドファンディングには,金銭的リターンを目的とした「投資型」と,金銭的リターンを求めない「非投資型」という大きく2つの種類がありますが,今回は非投資型に焦点を当ててみましょう。個人事業主やフリーランスが活用するなら非投資型が一般的です。
「非投資型」には「購入型」と「寄付型」の2つのタイプがあります。
「購入型」は資金調達者が資金提供者から集めた資金を活用して商品・サービスを開発し,資金提供者に完成した商品・サービスを提供するものです。実態としては共同購入と近いものといえます。
「寄付型」は、被災地の支援や社会的活動などのために寄付を集めることを目的とし,経済的な見返り(リターン)は想定されていないものです。リターンは,たとえばお礼の手紙,イベント参加やノベルティなどです。
さらにクラウドファンディングによる資金調達の方法には,「all or nothing方式」と「keep it all(all in)方式」があります。
「all or nothing方式」は目標額を下回る資金しか集まらなかった場合,資金調達者に資金が渡らずに終了するものです。「keep it all(all in)方式」は目標額を下回った場合でも資金調達者に資金が渡されるものです。それぞれメリットやデメリットがあるので注意が必要です。
くわしくは「みんなの経営応援通信」の連載記事で,フリーランスや個人事業主が知っておきたいクラウドファンディングのしくみと税金について解説していますので,気になる方はぜひご笑覧ください。
第1回ではクラウドファンディングのしくみを概観しています。
クラウドファンディングはどのようなしくみなのか,どのようなメリットやデメリットがあるのか,クラウドファンディングをはじめるまえに,しっかりと下調べをしておきましょう。
みんなの経営応援通信「個人事業主も活用したいクラウドファンディングのしくみと税金[第1回]:クラウドファンディングのしくみ」
税務・会計・経営のことなら、たけだ税理士事務所にご相談ください。
たけだ税理士事務所は、クリエイティブに関わる多様な事業形態に対応し、「5つの支援」を主軸とした、税務・会計・経営の総合アドバイザリーサービスを行っています。