手元にあるお金が少なくて,確定申告の所得税を一度に納めることができません。
どうしたらよいでしょうか?
所得税の延納の手続きがあります。
事前に届出すれば,2回に分けて納税することができます。
所得税の延納
確定申告の所得税は,2回に分けて納付することができます。
読んで字のごとく「納税を延期する」のが「延納」制度で,個人事業主に対する救済措置として位置付けられています。
事前に届出する必要がありますが,確定申告により納付する税金の2分の1以上の金額を納期限までに納付すれば,残りの額を同年5月末日まで延納することができます。
振替納税を利用している場合は,振替日に振替納税することで(1回目),残りの額を5月末日まで延納することができます(2回目)。
延納の手続き
確定申告書の「延納届出額」欄に,「納める税金」欄に記載されている金額の2分の1以下の金額を記載して提出します。
たとえば,「納める税金」欄が200,000万円の場合は,「延納届出額」欄に100,000円以下の金額を記載することになります(申告期限までに2分の1以上を納付する必要があるため)。
延納の注意点
延納期間中は,利息に相当する「利子税」がかかる場合がありますが,事業から生じる所得に対するものについては,必要費にすることができます(所得税法45条①二,所得税法施行令97条)。
一方で,「延納」の手続きをせずに期限までに所得税を納付しないと「延滞税」がかかります。延滞税は利子税より税率が高く,必要経費にもなりません。
また,最低でも半分は納めなければならない点にも注意が必要です。申告前にあらかじめ納税額を予測したり,資金を確保したりすることで,納税に備えておくのが良いでしょう。なお,振替納税なら利子税がかからないため,資金繰りの面で考えれば「延納」よりも「振替納税」の方がおすすめです。
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